消された女【映画感想】
この前、映画を借りたときに5枚で1000円だったので数会わせに借りたけど面白かった。(※なお、数日後プライムに追加された模様…)
主人公は敏腕プロデューサーだったのにやらせ疑惑で社会的な信頼を失ってしまったナ・ナムスさんという男性です。
仕事が無くなってしまったのでめちゃくちゃしぶしぶオカルト番組を担当するのですが、そこにちょっと気になるネタを見つけたのでした。
それは精神科病院に強制入院させられたというとある女性の手記でした。
そしてその女性の名前はカン・スアといい、とある事件の容疑者だったのです…
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韓国では精神保健法 24 条という法律を悪用し保護者2人の同意と精神科専門医1人の診断があれば患者とされた人を入院させられるという仕組みを利用して、治療の必要のない人を社会的に排除したという実際にあった事件をもとにしているらしい。
今ではすでに精神保健法第 24 条に関して強制入院は本人の同意なければ憲法違反であると判決が出たそうですが、最近までしばしば本当に起きていたというのは恐ろしいですね…
こちらの作品の予告がきっかけで組まれた人権をテーマにした番組で実験したら、本当に病院の人間が迎えに来たということまであったそうで。
信じられないけど本当なんだなあ。
もちろん映画だから最後はサスペンス作品としてまとめられつつも謎めいた箇所もふんだんに残した良作だったと思います。
個人的にスアさんが魅力的だったなあと思います。
私は狂っていない、とそれを承知している相手に訴えるときの虚しさといいますか。
向こうは分かっててやってるんだから当然相手にしてもらえないわけで…
その姿の痛々しさが苦しい。
スアさんには出来ることほかにないからやるんですけど…
事件後医療施設で全てに絶望して無気力に過ごしているように見えたスアさんの中には煌々と想いが燃えているんですね。
韓国の女優さん全く存じあげなかったけど、カン・イェウォンさんの演技すごかったなあ。
あとこの映画、結構ナ・ナムスさんの不貞腐れ具合が面白い。
ずっと不機嫌で「ムキーッ!!!!!💢💢💢」って感じ。
何気に見どころだと思う。
途中で組んだペク・ジヨンさんとのコンビもまあまあ相性よさそうなバディなのがよかった。
結構暴力描写がきついので元気なときに見るのがおススメかなって思いました…