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ぜんしゅの跫読んだ!【読書感想】

ぜんしゅの跫 比嘉姉妹シリーズ (角川ホラー文庫)

 

「鏡」「わたしの町のレイコさん」「鬼のうみたりければ」「赤い学生服の女子」「ぜんしゅの跫」の5編、比嘉姉妹シリーズ5冊目の作品。

 

今回も面白かったです。

一番怖かったのは「鬼のうみたりければ」かな…

 

・・・

 

とある女性が体験談を語っているのですが、その内容は奇妙なものでした。

いろいろあって仕事を離れた旦那さんと義理のお母さまの介護で疲れ果てた女性のもとに、幼いころに失踪したと聞かされていた旦那さんのお兄さんが帰ってきたというのです。

 

聞くと「白い山」みたいなところで暮らしていた、とか。

わけがわからないですが、義理のお兄さんは明るく働き者で職のない旦那さんの名前を使い働き始め介護にも参加してくれます。暮らしが楽になり家族は喜びました。

 

しかし、時折いなくなってはまた帰ってくるという奇妙な行動を取るようになります。ですが義理の兄さんのほうも至って気にしていません。

そんな妙な生活にも慣れ始めたとき、旦那さんからある恐ろしい話を聞いてしまい…みたいな話。

 

・・・

 

普通に女性が疲れのあまりに混乱してしまったということなのでしょうが、どうしてもただの幻覚だと言い切れない…よね?っていうべちょっとした余韻が残る…

死んでる人よりも生きてる人のほうがはるかに気持ち悪い感じなのが本当に「らしい」良い感じのお話でした。

 

「ぜんしゅの跫」も、比嘉姉妹のぎこちないふれあいがしたためられており和みました(和んでいいのかな…?)

人死んでるけど、ぜんしゅがなんかかわいらしく思えなくもない。

人死んでるんですけどね…

 

来る

 

比嘉姉妹シリーズに初めて出会ったのは「来る」(一作目「ぼぎわんが、来る」の映画版)でした。

プライムに来た時、すっごい話題になっていた気がするけどそれは私の周りだけかな…

冒頭が頭痛くなるくらい気分が悪いんですよね~

 

私はいとこだけで10人以上いるような田舎の家の人間なので、小さいころの親戚の集まりといえばあんな感じだった。 

子供のころから私はこんな感じなので親戚の中でも浮きまくっている上に、手伝いもできないポンコツなので肩身が狭かったんです。

 

それを、もう、もう、思い出しまくって気持ち悪くなって休み休み見ました(笑)

なんなら、やっぱ親戚がいっぱい集まる席ってだれでもちょっとは嫌なもんですよネ~!と逆に吹っ切れたくらい。

 

「鏡」はそのときのご家庭のお父様田原さんの前日談なのでしょうか。

先生の書かれるやや偏りのある人物描写は、本当に嫌悪感をこれでもかと煽ってくださる。

なんなんだこいつ、って登場人物全員が思っているというめちゃくちゃ面白い状況でイクメンブログを更新し続ける田原さん。

真剣にシリアスな笑いなんだろうか…と考えながら見ていた。 

 

それに私は罰としての死にそれほど留飲が下がらない質なのでただただとにかく気分ワルいばっかりです。

こうやって嫌なことや恐ろしいことを緻密に解体してお話に落とし込めるってすごい…

 

映画は原作と全然違うところもあるけど、あの物々しい感じが好きでけっこう楽しく拝見しました。

見終わった後は、もう二度と見たくないと思ったけど久々にちょっと見たくなってきた。

元気なときにでも見直そうかなと思います。

 

そういえば、学生のころこんなに好きなんだからいっそ自分でも怖い話を書いちゃえ!と思ったことがありました。

しかしどうにも陳腐で…(汗)

 

当時学校に小説の賞があったので応募したのですが、講評で何が何だかわからないって書いてありました。

うわ~…(思い出してゾッとしている)