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静かな黄昏の国【読書感想】

静かな黄昏の国 (角川文庫)

 

奇妙な、ちょっと恐ろしいような8編が入った一冊…

すごくすごく好みの話ばかりであっという間に読んでしまいました。

「子羊」が読みたくて手に取ったのですが、表題作の「静かな黄昏の国」「リトル・マーメイド」も楽しかった。


多分恐ろしさで言えば「静かな黄昏の国」が一番かなと思うんですが、印象に残った度でいうと「ホワイトクリスマス」かもしれません。

 

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ホワイトクリスマスは…

 

売れない小説家の主人公は生活のためにいやいやギャルゲーのノベライズの仕事を受けます。かつての恋人から紹介された仕事でもあるのに、なめ腐った態度で制作陣を不愉快な気持ちにさせます。いったん書き終えたものの、きちんとゲームをしてから書いてほしいとリテイクを指示され、ようやくしぶしぶゲームに手を付けるのですが…みたいな話。

 

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映画みたいだった。映像にしても違う恐ろしさが出そう…

シミュレーションゲームって久々にやると、キャラクター達との会話でキャッシュ的なものが積もってだんだん頭がくるくるしてくるんですよね。

32通りもストーリーがあるって聞いただけでげんなりするのもわかる。

私とか頭の容量が人より小さいから余計に疲れるんだと思うけど…

 

とはいえ、主人公の石上さんはめちゃくちゃ嫌な人だな…(笑)

ゲーム作った側の人間だったら、「…本当にあの方にお願いするんですか…(悲)」みたいなちょっと余計なことを言ってしまいそうです。

 

あと、もう一つもしを言うなら、私がシナリオライターの茂房さんだったら「この話で絶対に石上さんを殺す」と思ってなきゃ菜穂ちゃんにあんなことをさせないです。

だから茂房さんの逃げの言い訳で終わるのが非常に胸が悪い。

こだわって作り上げたキャラクターに、よく嫌いな人間相手を誘わせたなあととことん理解できず素で腹立ててしまった…(笑)

 

ご本のタイトルが表題作のタイトルだったのですが、別のお話の感想になってしまったけど大丈夫ですよね…?(汗)

 

こうやって読んだ後も頭が夢中になってしまう面白いご本でした。

先生のほかの作品も読みたいです!